村井宮城県知事と女性経営者座談会
宮城県・創造的な復興を掲げ、未来に向けて全力発進!
創業昭和22年2月1日(帝産オート(株))
設立昭和45年4月1日((株)帝産キャブ仙台)
従業員150名(内女性6名)
昭和45年4月、ハイタク事業の地域的特殊性を活かし顧客に対しより良いサービスの提供するため帝産オート( 株) より営業譲受し、(株)帝産キャブ仙台を設立。
観光タクシーや震災の語り部タクシーを運行。
http://www.teisantaxi.jp/
創業昭和23年
砂利・砂販売業・土木工事一式・解体工事業
従業員:13名
亡き父阿部武がトラック1台で立ち上げて、(砂利・砂販売業)二代目は菅原 博氏(夫) 公共工事を本格開始、おもに仙台市内の仕事、私が三代目を継いでおります。
設立平成2年
代表者:大丸 和夫氏(夫)
貸アパート・マンション 貸戸建ほか マンスリー 貸事務所・店舗 駐車場 リロケーション 売新築マンション 売新築一戸建売中古マンション 売中古一戸建 売土地売工場・倉庫 売事務所・店舗 投資用・その他 リゾート物件を主に取り扱う。
http://fudousan.info/
設立平成8年
リフォーム、戸建新築、アパート貸・管理、店舗設計・施工、ビルメンテナンスなどの塗装工事業。住宅リフォームから一部リフォームまで。
仕事の「質」を常に追求し、お客様の期待を上回るよう経験豊かなスタッフが始めから終わりまで一貫してサポートする。
http://www.yubisou.co.jp/
司会 小泉知加子 わんからっとエル編集長
●小泉
はじめに女性経営者4名様から自己紹介をかねて一言お願いします。
●菅原
(株)阿部砂利建設の菅原裕美子でございます。
弊社は亡き父が創業し、来年60周年を迎えます。公共工事をやらせていただいております。
●大丸
(株)大丸トレーディングの大丸由喜子と申します。弊社は平成2年設立、今年で27年になります。当初は東南アジア地域・中近東・アメリカ諸国・オセアニアなどへの建設機械の輸出入業を営んでおり、その後不動産事業を開始、「地球の一部売っています」というキャッチフレーズで、日本と外国の不動産仲介をしております。海外事業では、タイ政府観光庁が運営する国家メンバーシップ・タイランドエリートの日本正規代理店を務めています。外国人観光客が増えている今日、外国人を誘致する絶好のチャンスと同時にアウトバウンドとして東北近県からの仙台空港の利用者を増やし、仙台空港発着の国際路線を増やしていただきたいと切望します。
●帖佐
仙台市内でタクシー会社を営んでおります帖佐礼子と申します。昭和45年、それまで帝産オート(株)仙台支店であった当社を、屋号やグレイハウンド犬のマークとともに支店次長であった父が譲り受け、営業を続けて参りました。仙台支店の設立は昭和25年となっていますので、本当に長い間仙台市民の皆様の足となって参りました。私はその父から平成20年に当社を任され現在に至っています。タクシー会社はいま、混沌とした状況ではありますが、父が大事に心を込めて育ててきた人材に支えられ、助けられ毎日を過ごしています。今後は私自身も次代につなげる人材の育成と、未来に向かう道筋の模索のために努力していこうと思っております。
●熊谷
富谷市に本社があります(株)友美装の熊谷友紀と申します。宮城県はじめ東北、関東圏における建物の塗装工事をやっております。
19歳で起業し、好きで始めたこの仕事もあっという間に20年が過ぎました。
■知事
男社会ですよね? よく創業しようと思いつきましたね。
●熊谷
仲間たちが付いて来てくれて、無我夢中でした。現在、従業員は短期雇用等も含めて25?30名、東日本大震災もありましたが、長い間同じペースで続けさせていただいているので恵まれていると思います。職人の世界はまだまだ社会的自立が困難な状況です。今後バックアップしていけるような社内環境を整え、将来的には社会貢献できる企業に育てていきたいと思っています。
震災から6年先進的な仕組みを創る
●小泉
震災から6年が経過しました。宮城県の復興をけん引される立場として、震災からの6年間をどう受け止めていますか。
■知事
東日本大震災は大変な災害で、宮城県だけで1万人以上の方が亡くなり、未だ約1200人が行方不明です。発災直後はこの先どうなるんだろうと思いましたが、政府や全国からの支援もあり、何より県民の皆様に頑張っていただきましたので、ようやくここまで復興することができました。とはいえ、災害公営住宅が平成29年3月末時点で85%しか完成しておりません。今年度、95%の完成を予定しており、平成30年度に全戸完成予定です。完了まであと2年近くかかり、震災から8年かかって、やっと住まいが完成するという状況です。元に戻すだけだと10年かかった上に、10年遅れの宮城県になってしまいます。私は復興するならば、元に戻すだけにとどまらず、新しいことにチャレンジするという先進的な仕組みを創っていきたいと思い、これまで取り組んで参りました。
宮城県は支店経済と言われていますが、これは県内の経済が主にサービス産業で成り立っているためです。少子高齢化やインターネットの普及に伴い、今後、サービス産業だけで県経済を発展させていくことは難しいので、第2次産業の建設業と製造業の割合を高めていき、サービス産業を持続させ、産業全体のバランスが取れた県経済にしていこうと頑張って参りました。
●小泉
知事が掲げる「創造的な復興」の進み具合はいかがでしょうか?これまで実現できたことなど具体的にお聞かせください。
■知事
仙台空港の民営化です。定住人口の減少を補うために、交流人口を増やさないといけません。そのために今まではデスティネーションキャンペーン(関東圏のお客様を新幹線で東北に呼び込むというキャンペーン)を実施しました。
これから伸びしろがあるのは海外の観光客だろうと思います。成田や羽田、関空で降りた旅行客は、だいたい京都や富士山・東京などゴールデンルートへ向かいます。こちらに来てもらうのは正直難しいです。そうなると、仙台空港を拠点として利用し、移動してもらうことが必要です。しかし、飛行機の着陸料が高いという問題がありました。調べてみると、国が所有して民間が運営するという海外の例を知り、これはおもしろいと思いました。
仙台空港の場合、空港ビルは県出資の第三セクターによって運営され、滑走路や駐車場は国所有と、経営がバラバラで、着陸料は全国一律でした。民営化することで、経営を統一化し、着陸料やサービスを水面下で自由に交渉して下さいと差し出しました。官は水面下で交渉できませんからね(笑)。民営化したことで国際線も倍増しましたし、LCC(格安航空会社)の拠点となれば、今後益々便数も増えます。
もうひとつ例を挙げると、高齢化すると体が悪くなりお医者さんに通いますよね。特に沿岸部では医者の数が不足しています。今回復興支援の一環として、37年ぶりに政府の特例措置で新医学部が認可され、昨年4月に東北医科薬科大学の医学部が誕生し、100名の定員のうち宮城県枠30名が設けられました。卒業後宮城県内の指定医療機関に10年間勤務することで東北地域医療支援修学資金の返済が免除されます。医者の配置を調整することで不足地域を解消します。
私たちが知事に期待すること
●小泉
次に皆さんからは「知事に期待すること」を順に発言いただきたいと思います。
●菅原
今までのお話を聞いて、こんなに頑張ってこられた村井知事に、私たちができることはないかとたった今思いました。
■知事
ありがとうございます。まずは、仕事を頑張っていただくことが何よりだと思います。
●菅原
一つだけお伺いします、「創造的な復興」など村井知事が一人で考えられるのですか?
■知事
経営者の皆さんも同じだと思いますが、自分で考える範囲は限られます。信頼できるブレーンを作る方もおられますが、私は作らないようにしました。始めはアドバイスをいただく県顧問をお願いしておりましたが、その方々の声だけ聞いても限られてしまいます。いろいろな人が、わが師になり得ると思うんです。新職員、ベテラン職員、民間企業の方、家族、そして今日参加の皆さんなど、たくさんの方からいろいろなことを教えてもらいます。そこでおもしろいなと思ったことを掴んでいきます。もちろん自分で考えることもありますが、私は遠慮なくいろいろな方に相談して知恵、ヒントをいただき、自分の頭で悩んだり考えたりしています。
●大丸
インバウンドに目を向けられている中で、民泊のあり方についても議論されております。知事は民泊についてどのようにお考えですか?
■知事
沿岸部の宿泊施設が大きな被害を受け、ツール・ド・東北でも宿泊施設不足の問題は出ています。規制緩和し民泊をとの要望を受け、宮城県ではイベント民泊制度を利用して実施しております。関西の方では空き家を利用した民泊も増えていますよね。ただ、民泊に関しては、誰でも宿泊可能となると安全面の確保等の課題もあるので、注意が必要だと思います。
●帖佐
沿岸部への観光客の誘致を考えるうえで、震災遺構の見学のみに留まらない新たな観光地の開発が望まれるところです。コンパクトではない沿岸部の点をうまく線あるいは点の集合体と捉えた観光客の誘致など、観光面での県としてのプランをお聞かせください。
■知事
私も深刻な問題と受け止めております。観光ルートは松島から岩手県の平泉まで飛んでしまうんですね。県ではガイドブックを作りましたので、どんどん活用して下さい。観光名所はたくさんあるのですが、なかなか線として繋がらないのが現状で、この課題は本腰を入れて取り組んでいます。最近人気なのが、白石市の宮城蔵王キツネ村ですよね。インターネットで情報が拡散される社会なので、何が人気スポットになるかわからないですね。
●熊谷
富谷市の雇用促進と地域活性化のために、技術職の体験教室やトライアルなどを企画したいと考えておりますが、宮城県としての雇用促進の取り組みや支援策はありますか?
■知事
若年者就職支援センター「みやぎジョブカフェ」があり、技術系のスキルアップ制度を設けています。しかし、まだ広がっていない状況です。特に人手が足りない業種には、宮城県も関わりながら、これから支援をどんどん展開していこうと思います。
●熊谷
わかりやすいシステムの構築が必要ですし、富谷市は産業が少ないので、産業をつくるヒントになるのではないかと思います。塗装業界に関して言えば、廃塗料の廃棄が問題視されています。廃塗料は有害物質を含み特殊な処理が必要で、高額な費用がかかる現状のなか、廃塗料に関しての産業をつくりだすために、様々な方々のご協力やご指導の下、有効な活用法を見い出したいと考えております。その前準備としても、基盤となる富谷市・宮城県の具体的な見解を伺いたいと思っておりました。
■知事
まさに富谷市はミニ仙台市なんですよ。大型ショッピングセンターができ、サービス産業が盛んになってどんどん人口が増えます。しかし高齢化が一気に進み、衰退していく前に手を打つ必要があります。新しい産業技術を開発することはすばらしいことです。ぜひ実現に向けて頑張って下さい。
●小泉
最後に、出席者をはじめ多くの女性起業家へ向けて、知事より一言お願いします。
■知事
宮城県はポテンシャルが高いんですよ。ここの強みは食糧基地を持っていること、そして首都圏に近く、気候にも恵まれている住みやすい環境です。宮城県が頑張って東北をけん引していかなければならないと思っております。可能性は大いにありますので、これからどんどん仕掛けていって、宮城は東北で一番で満足せずに、日本で一番!と言われる地域にしていきたいです。
●小泉
ありがとうございました。村井知事のご活躍、創造的な復興が順調に進みますよう、ご期待申し上げます。
いままでのセミナー実績
これまでたくさんのセミナー・パーティーを開催し、大勢の方それぞれが情報交換の場として役立てており、好評な反響を頂いております。
開催日時 | 開催場所 | タイトル | 講師 | 集客数 |
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平成13年9月22日 | まんぷく亭 | 「女性の輝く人生のために 私は生きる」 | (有)愛幸 渡辺 幸子社長 | 約30名 |
平成13年11月24日 | SS30「晩餐館」 | 「心に革命を起こせ」 | 旅館 三治郎 大宮富貴子社長 | 約30名 |
平成14年3月16日 | 楽語館BB? | 「職人商人たれ」 | (株)タゼン 田中善次郎社長 | 約40名 |
平成14年5月28日 | 総本家南部百姓家 | 「占い師になって」 | 占い師 白凰占子先生 | 約40名 |
平成14年7月11日 | アエル6F | わんからっとL6周年記念パーティー | 約150名 | |
平成14年9月7日 | 鬼ばばDue | 「美容師の道へ」 | 西岡美容室 西岡良子先生 | 約20名 |
平成14年11月30日 | 楽語館BB? | 2002年ボジョレーヌーヴォーを 楽しむ会 | サントリー(株) 山本 千絵様 | 約50名 |
平成15年3月3日 | デュッカ | 「女たちのサクセスストーリー彼女が輝いている理由」 パネルディスカッション | 約80名 | |
平成15年7月8日 | アエル6F | わんからっとL7周年記念パーティー | 約130名 | |
平成15年9月27日 | 総本家南部百姓家 | 第42回 わんからっとL女性起業家セミナー | (有)あすか コーポレーション 取締役 高橋よしゑ様 | 約30名 |
平成15年11月29日 | KKRホテル仙台 | 第43回 わんからっとL女性起業家セミナー | 元KKRホテル仙台 取締役総支配人 菊池 光子様 | 約30名 |
平成16年3月3日 | デュッカ | 「女たちのサクセスストーリー彼女が輝いている理由」 パネルディスカッション | 約100名 | |
平成16年7月8日 | ホテル法華クラブ | わんからっとL8周年記念パーティー | 約180名 | |
平成16年10月9日 | ラフォーレ蔵王 | 第44回 わんからっとL女性起業家セミナー | 心理学士 マレーン・K・澤田様 | 約15名 |
平成16年11月27日 | KKRホテル仙台 | 第45回 わんからっとL女性起業家セミナー | 川野真理子様・菊池光子様 | 約40名 |
平成17年3月3日 | ホテル法華クラブ | 女たちのサクセスストーリー パネルディスカッション 『人生2度花を咲かせます』 | 約80名 | |
平成17年7月5日 | ホテル法華クラブ | わんからっとL9周年記念パーティー | 約180名 | |
平成18年3月3日 | ホテル法華クラブ | 女たちのサクセスストーリー パネルディスカッション 『リーダーからの伝言』 | 約80名 | |
平成18年7月5日 | ホテル法華クラブ | わんからっとL 10周年記念パーティー | 約180名 | |
平成19年7月4日 | ホテル白萩 | わんからっとL 11周年記念パーティー | 約150名 | |
平成19年9月5日 | 宮城県庁行政庁舎講堂 | みやぎの産業を元気にする女性のつどい | 約150名 | |
平成20年7月3日 | ホテル白萩 | わんからっとL 12周年記念パーティー | 約180名 | |
平成21年7月8日 | ホテル白萩 | わんからっとL 13周年記念パーティー | 約200名 | |
平成22年7月4日 | KKRホテル仙台 | わんからっとL 14周年記念パーティー | 約170名 | |
平成23年10月7日 | パレスへいあん | わんからっとL 15周年記念パーティー | 約150名 | |
平成24年7月5日 | パレスへいあん | わんからっとL 16周年記念パーティー | 約180名 | |
平成25年7月4日 | パレスへいあん | わんからっとL 17周年記念パーティー | 約190名 | |
平成26年7月8日 | パレスへいあん | わんからっとL 18周年記念パーティー | 約180名 | |
平成26年10月28日 | ホテルモントレ仙台 | わんからっとエルビジネスマッチング交流会 | 約27名 | |
平成27年3月4日 | ホテルモントレ仙台 | わんからっとエルビジネスマッチング交流会 | 約25名 | |
平成27年7月9日 | パレスへいあん | わんからっとL 19周年記念パーティー | 約180名 | |
平成27年10月28日 | ホテルモントレ仙台 | わんからっとエルビジネスマッチング交流会 | 約22名 | |
平成28年3月2日 | ホテルモントレ仙台 | わんからっとエルビジネスマッチング交流会 | 約28名 | |
平成28年7月5日 | パレスへいあん | わんからっとL20周年記念パーティー | 約200名 | |
平成28年10月25日 | ホテルモントレ仙台 | わんからっとエルビジネスマッチング交流会 | 約30名 | |
平成29年3月6日 | ホテルモントレ仙台 | わんからっとエルビジネスマッチング交流会 | 約39名 |