女性起業家を応援するヒューマンネットワーク新聞マガジン「わんからっとL」

 

わんからっとL 80号

2016/02
 


女性が活躍する会社
ご挨拶
復興のシンボル 地下鉄東西線開業!
奥山市長

─ 平成27年12月6日、念願の地下鉄東西線が開業しましたね。

 東西線は、平成15年に事業化が決まり平成19年に本体工事に着手しました。その間に東日本大震災で一時工事を中断しましたが予定通りの開業にこぎ着けました。街づくりとは長期的に考えなければならないものと改めて感じました。
 ことし3月には北海道新幹線も開業しますし、7月には仙台空港民営化がスタートします。宮城県・仙台市の交通環境が劇的に変化するという節目が震災の後に実現できたことは本当にすばらしいことです。

 

─ 震災の影響はありませんでしたか?

出発式

 復興事業と同時進行となったため、人手や資機材の確保において業者さんは大変ご苦労されたと思います。しかし皆さん、復興のシンボルとして地下鉄開業へ向けて頑張ろうという気持ちでいました。震災が起きてわかったことは、南北線は地上の橋桁が壊れて一時不通となりましたが、地下についてはほとんど損壊がありませんでした。”仙台市の地下は地震に強い!”と自信をもって皆さんに言えるようになりました。

─ 私も東西線に乗りました、便利ですね。

地下鉄東西線

 一定区間定額に設定することで乗りやすさを高めました。季節のよい頃には八木山動物園や青葉山公園などお出かけスポットがあります。また一番復旧が遅れていた海岸公園も災害査定が終わりましたのであと1、2年お待ちください。通勤や通学に利用するほかに、各駅それぞれ特徴がありますので今までの仙台の歩き方を一工夫すると、新しい場所に辿り着いたりと発見がありますよね。大いに利用してください。

 

─ 駅舎内に認定保育所を造ったのですか?

こいずみ 

 駅舎1ヶ所には働くお母さんたちに喜んでもらえる施設を造りたいと考えていましたので、子育て世代が多く6000人規模の新しい街となる荒井駅に決めました。仙台市では来年度に向けて、前年比で保育総量を1100人以上増加させるべく、保育施設等の整備を進めています。特に2歳以下の待機児童が多いことから、荒井駅駅舎上部施設には3歳未満児専用認可保育所(45名収容)を設置し4月1日より開所します。屋上には園庭があり遊べるようになっています。地下鉄構内もバリアフリーになっており、エスカレーターやエレベーターも充実していますのでベビーカーや車イスでもアクセスしやすいと思います。また、荒井地域は被災地に近く東日本大震災の記憶を継承する意味で、駅舎内にメモリアル施設「せんだい3・11メモリアル交流館」も開館していますので、ぜひ足を運んでみてください。

 


国際会議が2年続けて開催

─「第3回国連防災世界会議」から1年が経ち、今年は「仙台防災未来フォーラム2016」が開催されます。

インタビュー

 「第3回国連防災世界会議」から1年が経ち、今年は「仙台防災未来フォーラム2016」が開催されます。

「第3回国連防災世界会議」の開催から1周年の機会に、仙台・東北で復興や防災・減災に取り組んできた市民、行政、研究機関の関係者等が集い、活動事例などを発表します。昨年の会議で採択された国際的な防災指針である「仙台防災枠組」を踏まえた今後の方向性や課題を話し合い、仙台・東北から未来に貢献する防災推進のために何ができるのかについて考え発信します。開催は3月12日。さまざまなイベントを開催しますのでご参加ください。

─ 5月20日、21日には「G7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議」が秋保地区で開催されます。

 昨年から2年続けて国際会議が仙台で開催されるということは、「仙台市」を世界に発信できる大きな意味があります。交通規制などでご不便をおかけするかもしれませんが新緑の季節でもあり、仙台市の奥座敷「秋保」のよさを知ってもらえるいいチャンスだと思います。

 


仙台市は起業に向いている街

─ ここ1、2年「日本一起業しやすいまち仙台市を目指して」というスローガンが目につきます。起業を推進する理由とは?

フォーラム

 1つは震災後に被災した方々は自分が今生きている意味やこれからのことなどたくさん悩んだと思います。結果、地元や地域のために役に立ちたいという気持ちと自活し生計を立てなければならないという2つの考えが生まれると思います。その2つを併せ持ったものが「起業」です。自分の考えや思いを形にできるのが「起業」であり、取り組む方たちがどんどん増えてきましたので、行政も応援しようとなりました。
 2つ目は今後長期的には人口減少となり、今までの産業構造ではいられません。産業とは時代の移り変わりに合わせて変わっていかなければなりません。将来を見据えて、ビジネス活力を強固にするためにもたくさんのチャレンジが必要です。小規模なビジネスでもこの街にあったものや求められるものでしたら、どんどん拡大していきますから。
 平成26年1月に開設した仙台市起業支援センター「アシ☆スタ」は、起業家の皆さんが相談できる専門スタッフがおりますので、起業しようとする方はアドバイスを受け、セミナーやサロン、交流会等に参加して成長してもらいたいです。人は失敗したら恥ずかしいとか許されないと思う生真面目さがあると思うのですが、トライ&エラーというか失敗してもまたチャレンジすればいいんです。失敗は成功の元ですからね。とは言え、開業したあとの成功率が高くなるように我々は頑張らなければなりません。

開業率

─ 女性起業家が増えましたね。

 女性は思い切りがいいというか大胆なところはありますよね。また身近なところからニーズを捉えアイデアを持っているのは意外と女性の方が多いかもしれません。
 108万人都市となった仙台市は、お試しマーケットとしては手頃な都市規模ではないでしょうか。そうした点からも起業に向いている街だと思います。(図表参照)

─「SENDAI Entrepreneur Week」
仙台起業家週間(1月22日〜31日)が開催されました。

 平成26年の開業率は、政令指定都市2位でしたので、日本一になるんだ!という目標をもって頑張っており、仙台起業家週間を作りました。仙台市内で集中して多種なイベントやセミナーを開催しました。

最後に

─ 行政がここまでバックアップに力を入れてくれることはとても有難いですね。大いに活用して、身の丈にあった起業を目指し、花を咲かせ実のあるものに育てていきたいですね。
 最後に、わんからっとL会員の方々にメッセージをお願いします。

 わんからっとLの会員の皆様はビジネスにとても高い関心を持っていると思います。仙台市では若い世代の起業家を増やしていこうと思いますので、ぜひ先輩としてアドバイスや応援等どんな形でもいいのでバックアップしていただけたら嬉しいです。また会員の皆様はネットワークの達人でもありますので、例えれば「とりもち」のように何かと何かをくっつける役割を果たしていただきたいと思います。地下鉄東西線でも新しい出会いやつながりを作っていきたいので、みんなで利用してみんなで頑張ろう!元気になろう!と応援よろしくお願いします。

 

   

女性起業家を応援する新聞マガジン「わんからっとL」は、これからの21世紀の
異業種を越えた起業家向け情報ネットワーク新聞マガジンを創っていきます。

ともに輝きながら、自分の夢を成功させませんか?

   


未来に咲く、種をまく。
編集長
 おかげ様でわんからっとLは、今年で20周年を迎えました。ここまで導いて下さった皆様に感謝申し上げます。
 振り返ること20年前、平成8年わんからっとLは創刊いたしました。郵送で送るスタイルを当初からしていたため、届いた方は「何かの会報の付録?」と思われた方も多かったようです。また、電話で「わんからっとL」と言ったところで、「なに?わからんとえる?そんなのわからん」。「わからんと≠ナはなくわんからっと≠ナす」…。
 何度言っても「わからんと」と覚えられてしまうこともよくありました。今では笑い話ですが、当時は無我夢中で覚えてもらうために必死でした。
 どこへ行くにも、わんからっとLを持って購読会員を募ったり、取材に行ってインタビューしたり…。発送作業は何人かの方たちに手伝ってもらってこなしてきました。
 時には私自身できるかどうか、わからなくなることもありました。それでも何とか情報誌を編集していくコツを覚えていくものですね。あとはやる気しかありません。
 仙台市は、今年108万人の都市となりましたが、奥山市長もおっしゃっているように、お試しマーケットとして手頃な都市規模がよかったのだと思います。まさに起業に向いている都市です。地下鉄でトコトコと人の集まるところに出向いていけば、また類は友を呼ぶではないけれど、程よい具合にコミュニケーションが広がっていきます。1週間のうち10人に会えば、そのうち2人は知り合いだったなんてこともよくあります。
 平成26年仙台市の起業相談件数が1036件、そのうち女性が537件、その相談者は男女とも30歳代が最多(P5グラフ参照)、びっくりポンです。
 今の仙台市にまさにマッチした女性起業家を応援する新聞マガジンに20年かけて育ててきたように思います。
 「人は失敗したら恥ずかしいとか許されないと思う生真面目さがあると思うのですが、トライ&エラーというか失敗してもまたチャレンジすればいいんです。失敗は成功の元ですから」と奥山市長は語っていらっしゃいました。女性は自分を生かして仕事に育んでいくことに向いているのかも知れません。
 わんからっとLは、小さくても自分の思いを仕事にしていこうとしている方たちを応援していきたいと思います。
 一人ひとりが輝く
    ダイヤモンドの原石なのだから…。
 未来に咲く、種をまく―。
 ともに。

わんからっとL編集長
小泉知加子