女性起業家を応援するヒューマンネットワーク新聞マガジン「わんからっとL」

わんからっとL 79号

2015/11


女性が活躍する会社
男性が中心の職業にも女性が進出して目覚ましく活躍する時代になりました。

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(通称:女性活躍推進法)が
8月28日に国会で可決成立しました。
いきいきと活躍している女性社員にスポットをあて、
仕事の生きがいを持って働いている方たち(3社)を特集しようと企画いたしました 。
●これからも会社のために働いていきたい

本部企画課係長 小野寺 良子さん


 入社して10年目になりました。
 管理栄養士はグループ全体管理6名、栄養士6名の計12名。私は現在、栄養士が作ったメニューを管理する立場にいます。
 お客様から「おいしかった」などといったお声をいただいた時は、やってて良かったと思いますね。それと、会社から惣菜管理士を取得するための勉強もさせていただけることにやりがいを感じています。
 これまで、数えきれないほどのメニューを開発してきました。典型的な、いわゆる“お弁当”とは違う、開けた時にお客様がびっくりするような献立作戦を栄養士みんなでやっています。
 今後も、栄養士の統括を行いながらサポート役に回って、いっそう栄養士の仕事の重要性を全面に出して、会社に貢献していきたいです。

●勤務して16年 これからも頑張ります

販売事業部 宅亭仙台店 店長 尾口 里香さん


 配送の仕事から始めて16年。オフィス事業部に託児施設があった事が、私が働くきっかけとなりました。今は、宅亭の販売店長をしています。宅亭では1日2500食を売りますが、私は30名ほどいる販売員の取りまとめやフォロー、営業などをしています。
 当初はお弁当の販売数が700食程度だったのが、販売員の数がどんどん増えて、2500食を売るまでになって、次第に販売員の生活も豊かになっていったことが私の喜びになりました。
 「これを食べて健康になりました」というお客様の声が本当に嬉しいですね。

●お客様との関わりが励みとなって

お客様係 伊藤 美幸さん


 私は18歳の時に、職場体験でシブヤ食品の現場を見せていただきました。すごく忙しそうだったことが、私にはやりがいがありそうだと感じて働くことを希望しました。営業事務課のお客様係で勤務してから10年が経ちます。
 お客様係は17名。お弁当の注文の電話が、8時から10時半頃まで鳴り止まないので忙しいのですが、自分の名前をお客様が覚えてくださったりするのが嬉しいです。20歳になった時も「おめでとう」と言ってもらって…。
 その後は、配送担当者にお客様の注文内容の伝達を電話で行い、午後は、伝票処理の業務になります。若い社員が多いので、手本になれるようやっていきたいです。

■シブヤ食品株式会社
仙台市若林区六丁の目北町16-5
TEL.022-287-3638 FAX.022-287-0693
http://www.ss39.co.jp/

 

 

●今年9月、東洋ワーク(株)副社長に就任女性ならではの人間力を高めていきたい

東洋ワーク(株)副社長 (株)クリーン&クリーン代表取締役社長 猪又 明美さん


 学生時代に社長の奥様のピアノ教室に通いそれがご縁で、東洋ワークでのアルバイトが始まりました。当時(昭和56年)従業員4名でしたが、「仙台で一番の会社にする」と言う社長の一言に驚きと大変興味を持ち、他社の内定を辞退しそのまま就職しました。
 平成7年に、もともと興味がありました障がい者雇用をスタートすることができ、これまでの経験や大学時代で学んだ知識も社会で活かすことができたことに、大変充実感がありました。以降は障がい者の中途採用拡大や支援校からの新卒受け入れも継続して実施することができました。紆余曲折がありましたが、東洋ワークグループ特例子会社クリーン&クリーンの基礎となりました。勤続年数の長いスタッフの元気な笑顔に工場で出会うと、非常に感慨深いものがあります。お陰様で東洋ワークグループは、現在国から求められている障がい者雇用率2%を達成しています。
 次なる目標として、障がい者スタッフの皆さんの更なるキャリアアップと生産性を上げる仕組みづくり、また、就職弱者(母子・父子家庭、高齢者、ひきこもり、生活保護者)等の受け入れの仕組みづくりにチャレンジしています。個々の生活環境や背景を把握し、研修受け入れや労働条件の緩和などを実施、資格取得等の目標を持たせ、キャリアアップを実施、処遇改善ができるようにさらに取り組んでいきたいと思います。
 現在では一人一人の特性、経験を生かした配置で大変戦力になっておりますので、様々な働き方を求める人材の受け入れの検討や人を活かす仕事づくりは、人材会社の使命であると思っております。
 震災後、特例子会社であるクリーン&クリーンの事業活動や障がい者、就職弱者の就労支援を拡大する為に代表に就任しました。
 現在の仕事は、大変な事も多いですが、多くの方との出会い、一人一人の人生に寄り添う責任に、やりがいを感じています。
 お陰様で来年、東洋ワークは40周年を迎えます。40周年を目前に、本年9月に、本体である東洋ワーク(株)の副社長に就任しました。弊社は男女問わず、チャレンジ精神が高い社員には積極的にチャンスを与えて頂けますので、グループ関係会社においても女性管理者や役員が誕生しております。
 今後の後輩指導においては、女性としての感性や気配りなどの強みを生かせるよう指導し、人材育成を通じ自分自身も人間力を高めていきたいと願っております。

■東洋ワーク株式会社
仙台市青葉区国分町1-7-18 白蜂広瀬通ビル5F
TEL.022-225-5052 FAX022-224-3429
http://www.toyowork.co.jp/

 

 

●みやぎ生協の後方支援にやりがいを持って

みやぎ生協協同組合 総務部 機関運営課担当課長 鈴木 純子さん


 私は、平成15年4月からみやぎ生協で働いています。学生時代に生協でアルバイトとして働いたこと、子供の頃から生協が身近にあり宮城の地で人の役に立ちたいと思ったことがきっかけです。
 働き始めて今年で12年目。白石店レジ担当、愛子店レジチーフとして現場にいましたが、みんなで意見を出し合って、新しいことに挑戦させていただける環境でしたのでやりがいがありました。その後は店舗運営本部のレジトレーナーとして全店のレジ部門を統括する部署を経て、昨年、総務部に配属になり、機関会議の準備や調整、内部統制、災害対策に関することなど、みやぎ生協の組織全体に関わるような業務を行っています。
 現場にいた時とは違い、組織全体に関わることで視野が広がったことが、自分としては大きな変化です。後方支援を行う部署で実際に働いてみると、表立っては見えないけれど、みやぎ生協という組織にとって重要な部署だと感じています。ひとりで完結できる仕事を一つでも増やしていくことが当面の目標で、これからも頑張っていこうと思います。

■みやぎ生協協同組合 コープ東北サンネット事業連合
仙台市泉区八乙女4-2-2
TEL.022-771-1590

 

   

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前向きでいこう
編集長
 おかげ様で、平成8年に創刊したわんからっとLも、早いもので、来年は20周年を迎えます。
 来年は20年になることを人に話すと「すごいですね」と、一日に3回は驚いた目をされて言われます。確かに、地域情報誌を20年も続いてこられたのは、すごいことかも知れないなあと思う半面、改めてゾッとするわけです。「向う見ずだったなあ。そして、何よりもあの時、諦めないでよかったなあ」と。続いてこられた理由を考えました。

 「先見の明があった」
―いえいえ、何も見えませんでした。何よりも、誰もがうまくいくわけがない≠ニ、評論家的な意見が多かったように思います。(もっともだと思います。前例がないのだから)

 「人脈がすでにあった」「親の七光り」
―いえいえ当初は、それこそ道もわからないよそ者でした。
 続けながら、少しずつ方向性を前向きに向けていったのです。大小さまざまなアクシデントもクレームも前向きに捉え、改善策を考えました。そして「これしかないから」という、「背水の陣」というか「覚悟」だったのだろうと思います。

 物事を前向きに捉える
―これは一見、楽観的で危険なことかも知れませんが、やってみて失敗したら、また前向きに捉えてみることをすればいいのではないかと思うようになりました。不思議ですが、お金もあとからちゃんとついてくるんですね。
 今回の特集では「女性が活躍する会社」にスポットを当て、仕事に生きがいを持って働いている方たちを、インタビューしました。
 女性が会社の中でいきいきと働くためには、社会全体が今までの固定概念を変えていかない限り、なかなかいきいきとは働けないと思いますが、女性ならではの特性を活かして、会社員として本領を発揮して活躍している様子を伺うのは、とても頼もしく、うれしく思います。
 シブヤ食品(株)の小野寺良子さんは、管理栄養士そして惣菜管理士の資格を活かして、お弁当作りに余念がありません。「どのくらいレシピを作ったんですか?」の質問に「数えきれないくらいです」と話して下さいました。
 そして、東洋ワーク(株)の3000人もいる社員の中で、副社長に就任された猪又明美さんは、「障害者のスタッフのキャリアアップと生産性を上げる仕組みづくり、また就職弱者(母子・父子家庭、高齢者、ひきこもり、生活保護者)などの受け入れの仕組みづくりにチャレンジしていきます」と話して下さいました。まるで日本版マザーテレサのような仕事ぶりです。
 生産性、効率性を追い求める日本古来のカリスマ的なワンマン型経営者から、今までにないような柔軟性としなやかさを併せ持った女性リーダーの誕生だと感慨深く思いました。

 「わんからっとL」は、これからもさらに努力と創意工夫を積み重ねて他社には真似できない細やかなフットワークで、地域情報誌を創っていきたいと思います。
元気の出るコミュニケーションツールとして、情熱を持って邁進していきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

わんからっとL編集長
小泉知加子